柏野大地先生が高等研究院YLC在籍中（2023年6月末まで）に投稿した下記論文が、英国物理学会が毎年選出する「Top 10 Breakthroughs of the Year for 2023」に選ばれました！

「EIGER I. A Large Sample of [O III]-Emitting Galaxies at 5.3 < z < 6.9 and Direct Evidence for Local Reionization by Galaxies」（柏野ら, 2023年6月12日The Astrophysical Journal掲載）

　研究内容は高等研究院のWEBサイトでも取材記事を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が見通す宇宙のはじまり【YLC】【柏野大地先生】

　今回の選出に関して柏野先生にインタビューしたところ、「JWSTに関する論文がたくさん出ている中で、私たちの研究を選んでくれたのは素直に嬉しい。また、プロジェクトを率いるサイモン・リリー教授の花道を飾ることができてよかった。」と話しました。リリー教授は来年1月に退官予定です。

柏野大地先生（現所属：国立天文台）

　今回の研究において、ほかのチームがこれまであまり使ってこなかった観測手法を用いたことが功を奏し、数多くの銀河を観測することにも成功しました。今ではこの観測手法を取り入れるチームが増え、その後のJWSTの研究に大きな影響を与えました。

「私たちの研究成果は、少し複雑でわかりにくい部分があると思うのですが、物理的な重要性がきちんと評価してもらえたのは嬉しいです。」

　また、最後に今後の抱負についてもコメントをいただきました。

「まずは今走っているプロジェクトにおいて、丁寧に仕事をして、成果を挙げていきたいです。そして今後は、JWSTのような大型ミッションに日本もしっかりと貢献し、存在感を示せるように、一研究者として頑張っていきたいです。」

柏野先生、おめでとうございます！

関連リンク集

●研究に関するプレスリリース
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2023/06/post-517.html

●For the English press release on the study, please click here!
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result-en/2023/06/20230613-01.html

●学術研究・産学官連携推進本部の公式note
https://note.com/nagoya_ura/n/n63b3b31b5f89

●論文原本、関連論文
・Kashino et al. EIGER I： https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/acc588
・Matthee et al. EIGER II： https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/acc846
・Eilers et al. EIGER III： https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/acd776

（文・綾塚達郎）