ホウ素の輸送体BOR1が植物の花粉形成に及ぼす影響を明らかに【YLC】【吉成 晃 先生】
高等研究院YLCの吉成 晃先生(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任助教)が所属する共同研究グループの研究成果が、国際学術誌「Plant Physiology」のオンライン速報版に掲載されました。(2025年3月19日)
【プレスリリース】
〝ホウ素の輸送体BOR1が植物の花粉形成に及ぼす影響を明らかに
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<プレスリリースWEBページ文 引用>
ホウ素は植物の必須栄養素の一つで、細胞壁のペクチンと結合することで、植物の形を作ります。これまでに多くの植物で、ホウ素が不足すると種子がつかなくなることが報告されており、農作物の生産にも大きな影響をもたらします。そのため、ホウ素が花の中でどのように運ばれ、種子の形成にどのように関わっているのかを明らかにすることは重要です。
大阪公立大学大学院農学研究科の室 啓太博士研究員、髙野 順平教授らと、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の吉成 晃特任助教(高等研究院YLC教員)らの共同研究グループは、ホウ酸輸送体BOR1が若い花の葯で発現することを、シロイヌナズナを用いて確認しました。また、BOR1が種子の形成においてどのような役割を担っているのか、BOR1欠損株を用いて調べました。その結果、BOR1欠損株では、花粉表面の形状に異常が起こることが分かりました。さらに、花粉一粒ずつのホウ素濃度を測定したところ、BOR1欠損株では花粉のホウ素含有量が減少することが分かりました。以上から、BOR1は葯の中で、花粉になる細胞へホウ素を積極的に送り、花粉の形成を助けることが明らかになりました。
本研究成果は、2025年3月19日に国際学術誌「Plant Physiology」のオンライン速報版に掲載されました。
(引用元URL:https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/03/bor1.html)