古の記録に宇宙を見る!?【YLC】【早川尚志先生】
2022.09.27
プレスリリース
太陽、月、地球の位置によって起こる皆既日食。地球上ではごく限られた場所、タイミングでしか観測できません。
逆に、皆既日食が起こった場所やタイミングを正確に把握できれば、太陽、地球、月の位置関係から、その当時の地球の自転の速さも推測することができます。
―西暦601年3月10日
ビザンツ帝国の一大都市、アンティオキア(現在はトルコ国内、シリアとの国境付近の町)において、皆既日食が起こりました。当時の大地震も重なり、人々は天変地異を恐れ、この世の終わりを感じ、神の慈悲を求めて祈りを捧げました。
こうした記述が、当時のビザンツ帝国(東ローマ帝国)の記録に残されていました。正確な場所と日時を読み解くことができれば、このような記録を頼りに当時の地球の自転速度の変化を復元することが可能となるのです。
宇宙地球環境研究所/高等研究院 YLC特任助教の早川尚志さんは、世界中に散らばる文献を手掛かりに、天文学や地球科学の射程を過去に延ばす研究を進めています。
宇宙を見る目は望遠鏡だけとは限りません。過去に生きた人々の記録が宇宙のことを教えてくれるとは驚きです。(文:綾塚達郎)
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