宇宙再電離の原因を突き止めろ!【YLC】【柏野大地先生】
2022.09.08
プレスリリース
生まれたばかりの宇宙は、すべての物質がバラバラに電離している高温の状態でした。やがて膨張し低温になると、電離していた電子と原子核がくっつくことで原子がたくさん作られました。そうした原子が集まり、初代天体が誕生すると、次はその天体による光によって周囲の原子がまた電離しました。
これが宇宙の再電離です。
この再電離の過程や原因は詳しくわかっていませんでした。様々な説がありますが、2つの説について以下のようにざっくり書きます。
説1:天体から出る紫外線によって再電離が進む。したがって、天体が多い場所では再電離が進みやすい。
説2:天体は年を取ると低温になるものがたくさんある。したがって、天体が多い場所では再電離が進みづらい。
柏野大地特任助教(※1)は、石本梨花子大学院生(※2)、柏川伸成教授(※2)らと共に、今回の観測条件においては、説1が正しいことを突き止めました。
※1:国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科
※2:東京大学大学院理学系研究科天文学専攻
130億年前という遥か昔の宇宙が少しずつ解明されるたびに、まるで広大な宇宙をどこまでも泳いでいけそうな、そんな面白さを感じます。(文:綾塚達郎)
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