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レプトンのふるまいはどれも同じか? 素粒子の崩壊にひそむ関係性を数式で解明【YLC】【井黒 就平 先生】

2025.05.21
プレスリリース
#研究推進 #若手育成

 高等研究院YLCの井黒 就平 先生(名古屋大学素粒子宇宙起源研究所(KMI)特任助教 / 研究当時:兼KEK特別助教 クロスアポイントメント)が所属する研究グループの研究成果が、『Journal of High Energy Physics (JHEP)』に掲載されました。(日本時間2025年5月15日

【プレスリリース】
レプトンのふるまいはどれも同じか? 素粒子の崩壊にひそむ関係性を数式で解明

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<プレスリリースWEBページ文 引用>

名古屋大学素粒子宇宙起源研究所(KMI)/高等研究院の井黒 就平 特任助教(研究当時:兼KEK特別助教/クロスアポイントメント)、高エネルギー加速機研究機構(KEK)素粒子原子核研究所の遠藤 基 准教授(兼KMI特任准教授/クロスアポイントメント)らの研究グループは、「レプトンフレーバー普遍性の破れ」注3)を検証するための厳密な関係式を新たに発見しました。
素粒子物理学の標準模型は自然界の基本粒子とその相互作用を統一的に記述する理論として高い精度で検証されてきましたが、標準模型では説明できなさそうな現象も存在します。近年注目されているのが、電子やミュー粒子、タウ粒子といったレプトンのふるまいが種類によらず同じであるはずという「レプトンフレーバー普遍性」という性質が保たれていない可能性です。なかでもボトムクォーク(b)注4)がチャームクォーク(c)とタウ粒子(τ)、ニュートリノ(ν)に崩壊する現象注5)において、理論の予測と実験による測定結果の間にずれが報告されています。
本研究では、このような現象に関連して経験的に知られていた複数の粒子の崩壊率の間に成り立つ「和則(sum rule)」の理論的な背景を、重いクォークの対称性という観点から解明しました。とくにΛbバリオン注6)とB中間子の崩壊を結ぶ厳密な関係式を導出し、将来の高精度実験における理論と観測の照合を助ける新たな枠組みを提示しました。
本研究成果は、2025年5月15日(日本時間)付『Journal of High Energy Physics (JHEP)』に掲載されました。

(引用元URL:https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/05/post-826.html