名古屋大学高等研究院は、名古屋大学における世界最高水準の研究を振興し、その成果を広く社会に還元することを目的として、2002年に野依良治先生を初代院長として全国の大学に先駆けて創設されました。以来、高等研究院は、学術の振興、卓越した研究への支援、次世代研究者の育成、そして国際的な研究交流を通じて、本学における知の中枢としての役割を担ってまいりました。
高等研究院では、学問分野の垣根を超えた学際的な研究、特に新たな分野を切り拓く挑戦的な研究を重視しています。また、名古屋大学総長が自らレクチャーシップを授与する「名古屋大学レクチャー」や、多彩なワークショップ・シンポジウムの開催を通じて、知の発信にも積極的に取り組んでいます。さらに、Institute for/of Advanced Study/Studies の名称を冠した世界各地の研究機関との連携や、国際的ネットワークである UBIAS(大学附置高等研究院連合)における運営推進活動も、当研究院の重要な使命です。
人材育成の核となるのが、若手研究者を対象とした「YLC(Young Leaders Cultivation)」プログラムです。次世代を担う研究リーダーの育成に注力するほか、若手新分野創成研究ユニット制度や「世界的課題を解決する知の『開拓者』育成事業(T-GEx)」、創発的研究支援事業などとの連携を通じて、若手研究者を中心とした学際的・国際的な研究振興にも積極的に取り組んでいます。これらの活動は、名古屋大学が「世界屈指の研究大学」としてさらなる飛躍を遂げるための、不可欠な礎となるものです。
今後とも高等研究院は、研究と人材のハブとしての機能を一層強化し、先端的かつ国際的な知の創出拠点として進化し続けてまいります。皆様の変わらぬご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。