高等研究院院長挨拶

高等研究院の飛躍をめざして

shinohara

高等研究院は2002年(平成14年)度に名古屋大学学術憲章に掲げた学術研究を推進するため設置されました。学術憲章が求める基本目標は世界屈指の知的成果を産み出すことです。こうした実績は本学が学問の府として社会的に認知されるために不可欠であり、それをもとにして初めて、勇気ある知識人を育てることも可能となります。真に優れた学術研究の達成は学内の一組織のなしうるものではなく、全構成員の課題です。高等研究院は、学内の学術研究の連携と結集のための拠点としての役割を担うことができるよう、努力を続けてまいります。

高等研究院は、学術憲章が掲げる目標の達成のために、これまで10年間にわたり、国際諮問会議のアドバイス、学内の多くの研究者の意見をうかがいながら、様ざまな模索のなかで活動してまいりました。その結果、国際的には、大学付属高等研究院国際連盟(UBIAS)の運営推進会議のメンバーとなるなどして、研究と教育の交流活動をリードし、学内では、名古屋大学レクチャー、高等研究院レクチャーの組織、高等研究院研究プロジェクトの展開、YLCの組織、テニュアトラック事業およびリーディング大学院のサポートなどによって、学内アカデミーとしての機能を果たし、優れた研究の成果を名古屋大学の構成員各位の共有財産とすることに貢献してきました。

高等研究院は、今後とも、これまでの活動の基本線を維持し、その充実と発展に尽くしてまいります。とりわけ、国際的舞台で活躍するために、研究推進拠点としての機能をより高めていくことが求められています。UBIASでの活動を重視し、世界的研究交流の中心に位置しながら、学内での広域的学術交流の活性化を図り、優れた学術研究の発掘と支援に努め、研究重点大学としての名古屋大学の発展に寄与したいと考えます。私たちの活動が容易ではないことを充分自覚するとともに、構成員各位の積極的な参加がその成否を決すると考えております。各位のご協力をお願いする次第です。

高等研究院院長 篠原 久典