高等研究院アカデミー会員の益川敏英本学特別教授、小林誠本学特別教授、飯島澄男本学特別招へい教授が日本学士院会員として選出されました。
益川教授と小林教授は、1973年の共著論文において、素粒子の世界におけるCP対称性の破れを理論的に説明することに成功しました。そして、基本粒子クォークが6種類あると提唱しました。その後二十年余を経て、実験的にもそれらすべての存在が証明され、小林、益川理論は素粒子物理学において、ゆるぎない地位を確立しました。両教授は、この功績で、2008年ノーベル物理学賞を受賞されました。
一方、飯島教授は、1970年代に、高分解能電子顕微鏡を開発し、世界に先駆けて原子撮影に成功しました。また、結晶中の欠陥構造や超微粒子の構造不安定性についても先駆的な研究成果を挙げ、物理学、結晶化学、鉱物学、材料科学の発展に幅広く貢献しました。1991年にはカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を発見し、学界・産業界に大きな衝撃を与えました。飯島教授の研究成果は国際的にも高く評価されており、現在でもナノサイエンス・ナノテクノロジー研究における世界的な第一人者として活躍しています。
益川先生、小林先生、飯島先生の今後の益々のご活躍と研究のご発展を心からお祈り申し上げます。
外部リンク: 日本学士院新会員の選定について ‐ 日本学士院
(http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2010/121301.html)
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