高等研究院について

> 設置目的

高等研究院は、名古屋大学が、学術憲章に基づき、世界最高水準の研究活動を推進し、卓越した研究成果をあげ、さらにそれを社会に還元するため、全国の大学に先駆けて2002年に創設された部局を超えての研究専念組織である。


> 高等研究院のミッション

高等研究院は、名古屋大学の学術の発展のため以下の4つの活動を基本とする。
  1. 名古屋大学の学内アカデミーとして、優れた研究を名古屋大学の構成員に紹介し、それを共有することで、学術の振興をはかる。
  2. 特に優れた研究に対して実質的な支援を行い、名古屋大学の研究の飛躍的向上をめざす。
  3. 若手研究者の自立支援を積極的に推進し、将来名古屋大学の中枢を担う研究者を育成する。
  4. 大学付属高等研究院国際連盟活動を通じて世界的研究交流の中心に位置し、名古屋大学の国際交流の発展に寄与する。

これらの活動を基礎とし、大学執行部に対して研究推進のための提言を行う。またグローバルCOE等のプロジェクトおよび各研究科の大学院教育に協力する。さらに、学外の高等研究院組織と交流を図りながら、名古屋大学の研究を広く社会に発信する。
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> 高等研究院の組織

高等研究院は、自らの目的を遂行するため以下の組織を構成する。

1.名誉院長

名古屋大学の国内的、国際的な存在感を高め、名古屋大学高等研究院の活動を一段と充実させることを目的として、世界的な研究者及び学識経験者のうちから、総長に任命された者で、高等研究院の運営について助言及び提言を行う。

2.高等研究院アカデミー

名古屋大学の誇る研究者から組織され、高等研究院の学術活動について助言・提案を行い、名古屋大学の学術の振興に寄与するとともに、若手研究者・大学院生に研究の真髄を伝える。

3.高等研究院会議

高等研究院運営推進委員(院長、副院長、高等研究院専任教員、名大の教員6-8名、総長推薦の理事)から構成され、高等研究院の学術活動を企画、審議、決定する。

4.高等研究院、YLC-t教員、YLC教員、S-YLC教員

高等研究院において研究に取り組む教員を、本学の最も信望ある研究者として遇するとともに、自覚と責任を持って研究活動に専念できる環境を優先的に提供する。

5.高等研究院基幹教員会議

院長、副院長、専任教員、事務組織の代表から構成され、高等研究院の活動を推進するとともに、活動を企画し高等研究院会議に提案する。

6.高等研究院院友

高等研究院の活動に学術面からアドバイスする学内外の研究者。院長の推薦で高等研究院会議の承認を得たもの。

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> 高等研究院の学術活動

 レクチャー、セミナー、講義

名古屋大学に真に優れた研究を紹介し、学術の振興をはかるため、以下の講義等を開催する。

1.名古屋大学レクチャー

名古屋大学の最も重要な学術講義として位置づけ、学外にも積極的に公開する。世界トップレベルの研究者を招へいし、名古屋大学総長がホストとしてレクチャシップを授与する。

2.高等研究院レクチャー

学内教員、大学院生を対象とする高等研究院の最も重要な学術講義として位置づけ、学内外の特に優れた研究を採り上げ、全学の積極的な参加を要請する。学外にも公開する。

3.高等研究院セミナー

若手研究者、大学院生の研究推進のためのセミナーとして、最前線の研究、研究の個人史、研究倫理と公正研究等を採り上げ、若手研究者の研究活動を支援する。

4.高等研究院初年次講義「学問の面白さを知る」

初年次学生(1年生)を対象とし、アカデミーメンバー、高等研究院教員、院友、学内教員等の講義で構成され、学問の面白さや研究に対する心構えを知ることを目的とする。



 研究推進

1.アカデミー研究室

アカデミーメンバーの希望に応じ、研究室、実験室、談話室等を準備するとともに、関連部局の協力も依頼しながら、研究・教育活動を支援する。

2.高等研究院研究プロジェクト

特に優れた学内外の研究者を高等研究院教員として選考し、高等研究院において研究プロジェクト(プロジェクト期間:5年)を推進する。候補者の推薦はアカデミーメンバーおよび運営推進委員の他、学内からも随時受け付ける。高等研究院会議で候補者を調査、審議し、プロジェクト提案を依頼し、ヒアリング、アカデミーの承認を経て採択する。高等総合研究館において研究スペースを用意し、協力する特任教員、研究費を提供する。

3.高等研究院テニュアトラックプロジェクト

将来名古屋大学の研究を担う研究者を、高等研究院テニュアトラックプロジェクト教員として、採用し、支援する。セットアップ費用、研究費等を支援し、高等総合研究館において研究スペースを確保する。

 出版物
高等研究院での研究成果の発信および活動報告のため、『高等研究院便覧』(2年1回発行)および『高等研究院レター(IARレター)』(年1回発行)を刊行している。